溶融亜鉛めっきに関するQ&A

Question & Answer


Q.溶融亜鉛めっきは、他のめっきと比べてどんな特徴がありますか?
Q. 防食塗装と溶融亜鉛めっきとはどう違いますか?
Q. 溶融亜鉛めっき皮膜の上から塗装することは可能ですか?
Q. 溶融亜鉛めっき鋼材は、高力ボルト摩擦接合に適していますか?
Q. 部分的に加工するので、溶融亜鉛めっき皮膜をつけたくない箇所があるのですが?
 
さらにくわしく知りたい方は、社団法人 日本溶融亜鉛鍍金協会 FAQページをごらんください。



Q.溶融亜鉛めっきは、他のめっきと比べてどんな特徴がありますか?


A. 通常、「めっき」という言葉でイメージする装飾用のめっきと違い、溶融亜鉛めっきは防食目的で行なう表面処理です。 処理後数ヶ月で緻密な保護性酸化皮膜が発生し、灰色に変化します。この保護性酸化皮膜が空気中の酸素や水分から下部の亜鉛皮膜を守るため、亜鉛付着量550g/㎡の鋼材の場合、田園地帯であれば100年以上、環境の厳しい海岸地帯でも20年以上錆止め処理として機能します。

Q&A



Q. 防食塗装と溶融亜鉛めっきとはどう違いますか?


A. 万が一、皮膜に傷が生じて鉄地が露出したときに、防食塗装にはない効果が溶融亜鉛めっきには現れます。
防食塗装の場合は、塗装膜の傷部分の鉄地が酸化されて短期間で錆を発生し、粗い鉄さびにより塗膜が大きく破れ、さらに腐食が進行していきます。
しかし、溶融亜鉛めっきの場合は、周囲の亜鉛が陽イオンとなって鉄の腐食を抑制し、電気化学的に保護する犠牲防食作用を有しています。


Q&A塗膜に傷が生じると、粗い鉄錆
により塗膜が大きく破れ、更に
腐食が進行していく。
Q&A亜鉛皮膜に傷が生じても、犠牲
防食作用により亜鉛が優先的に
消費されるため、その間は鉄地
に錆は発生しない。



Q. 溶融亜鉛めっき皮膜の上から塗装することは可能ですか?


A. 鋼構造物に高い耐久性を付与するため、あるいは都市部での美観,環境調和,標識や安全表示およびアメニティを求める高級指向に応えるために、溶融亜鉛めっきの上に塗装されることが増えています。 このとき、溶融亜鉛めっきと塗装の相乗効果により、「亜鉛めっきだけの耐用年数」と「塗膜だけの耐用年数」の合計の、1.6~2.3倍の耐用年数が期待されるという報告もあるようです。これは、表面の塗膜がバリア-となって水・腐食因子をブロックするためです。そして水や腐食因子が透過しましても耐食性のある亜鉛めっきが緻密な保護皮膜を形成し鉄をさびから守るためです。 なお、塗料の種類によっては、溶融亜鉛めっきの上から直接塗装すると剥離してしまうものがあるので、詳細は社団法人 溶融亜鉛鍍金協会のQ&Aをご覧ください。



Q. 溶融亜鉛めっき鋼材は、高力ボルト摩擦接合に適していますか?


A. 高力ボルト摩擦接合面については、建築工事標準仕様書JASS6鉄骨工事の12.5溶融亜鉛めっき高力ボルト接合に定められた事項に、以下のように定められています。

(1)摩擦面はめっき後,軽くブラスト処理を施し,表面粗度は50S以上とする。
(2)摩擦面にブラスト以外の特別な処理を施す場合は,その方法を特記する。この場合,すべり耐力試験を実施し,次式を満足することを確認する。

すべり荷重≧1.2×設計ボルト張力×0.4×摩擦面数×ボルト本数


上記を受け、当社では接合部の表面処理としてOMZP-2を使用しています。
 >>オーエム工業のOMZP-2紹介ページへ


Q&AOMZP-2処理をした部分は、微
細で緻密なりん酸亜鉛の結晶が
形成され、すべり耐力が上昇する。



Q. 部分的に加工するので、溶融亜鉛めっき皮膜をつけたくない箇所があるのですが?


A. 不めっき剤を塗布することで、その部分にだけ溶融亜鉛めっき皮膜をつけなくすることが可能です。なお、不めっき剤は、塗布後乾燥に充分な時間を要するので、搬入前に塗布しておくのが望ましいと言えます。


Q&A




(文中で使用したグラフ・一部を除くイラストは、社団法人 日本溶融亜鉛鍍金協会の許可を得て使用しています)



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